PING契約の佐久間朱莉選手が2026年JLPGAツアー「ニトリレディスゴルフトーナメント」で今季2勝目を達成!
今回の勝利を支えた14本の中から、今季パーオン率1位※を支える“コンボアイアン”と、最終日27パットを記録したパターに注目します
さらに、年間を通して佐久間選手をサポートするPINGツアー担当だからこそ知る、クラブ調整や優勝までの舞台裏も紹介。佐久間選手の強さを、ギアとその裏側から紐解きます。
佐久間朱莉選手が逆転で今季2勝目!
8月30日、北海道・釧路カントリークラブ 鶴居東コースで行われた「ニトリレディスゴルフトーナメント」最終日。
首位と2打差の4位タイからスタートしたPING契約の佐久間朱莉選手が、7バーディー、1ボギーの「66」をマーク。通算11アンダーまでスコアを伸ばし、今季2勝目、JLPGAツアー通算6勝目を飾りました。
最終日は1番からバーディーを奪うと、前半だけで5つスコアを伸ばす猛チャージ。最後の18番でも約3.5メートルのバーディーパットを沈め、2位に2打差をつけて逆転優勝を決めました。
そんな佐久間選手の勝利を支えた14本にも注目してみましょう。
【優勝セッティング一覧】
| ドライバー | G440 LST(9度) | ロフト+1.5度 |
| フェアウェイウッド | G430 MAX(#3(15度)/#7(21度)) | #3のみロフト+1度 |
| ハイブリッド | G430(#5(26度) | |
| アイアン | i240(#4) | ライ角:GREEN |
| BLUEPRINT T(#6~PW) | ライ角:RED | |
| ウェッジ | s259(50度(S)/54度(S)/58度(E)) | ライ角:RED |
| パター | SCOTTSDALE B63 | 32inch |
ドライバーからパターまで、自分のプレースタイルに合わせた14本で戦う佐久間選手。
今回のセッティングの中でも特に注目したいのが、今季高いパーオン率を記録しているアイアンと、最終日27パットで優勝に大きく貢献したパターです。
パーオン率1位※を支える“コンボアイアン”
2025年は13位だった佐久間選手のパーオン率は、2026年は現在1位※。
そのショットを支えているのが、『i240』と『BLUEPRINT T』を組み合わせたコンボセットです。
佐久間選手はi240:#4/BLUEPRINT T:#6~PWをセッティングしている。
ツアープロだからといって、すべての番手で難しいクラブを使うわけではありません。
長い番手では高さや寛容性、短い番手では操作性やスピンコントロールなど、番手ごとに求める性能は異なります。佐久間選手も、ひとつのモデルにこだわらず、自分のプレースタイルと打ちたいショットに合わせて異なるモデルを組み合わせています。
「自分にはどのアイアンが合うのか」だけではなく、「それぞれの番手で何をしたいのか」。
佐久間選手のコンボセッティングからは、そんなアイアン選びの考え方も見えてきます。
最終日27パット。勝負を支えた『SCOTTSDALE B63』
もうひとつ注目したいのがパターです。
優勝争いとなった最終日、佐久間選手は18ホールを27パットでプレー。1番では約6メートル、そして優勝を決めた18番では約3.5メートルのバーディーパットを沈めました。
その手に握られていたのが『SCOTTSDALE B63』です。

今季途中まで使用していたSCOTTSDALE 『DS72』から『B63』へ変更した佐久間選手。
なぜ長く使用してきた『DS72』から『B63』へ変更したのか。そして、コンボアイアンを含め、現在の14本はどのように作られていったのでしょうか。
その答えを知るために、年間を通して佐久間選手をすぐそばでサポートしているPINGツアー担当に、今回の優勝に至るまでの舞台裏を聞きました。
「何か今までと違う!」――6勝目までの道のり
今季2勝目、そしてJLPGAツアー通算6勝目。
今回のニトリレディス優勝後、佐久間選手がPINGのツアー担当に話したのは、「何か今までと違う!」という言葉でした。
昨年は年間女王に輝き、今季も開幕戦で優勝。順調に見えるシーズンでしたが、その後はパッティングの感覚が合わなくなり、佐久間選手自身も悩む時期が続いていたといいます。
「開幕戦で優勝したあと、パッティングの感覚が悪くなり、本人もかなり悩んでいました。これまでの5勝とは違い、今回はプレッシャーも感じ、調子を落とした時期もありました。その中でもう一度戻ってきてつかんだ勝利だったからこそ、本人にとっても大きな自信になったと思います」(PINGツアー担当)
年間を通して選手をサポートするツアー担当の仕事は、選手から言われた通りにクラブを調整するだけではありません。
佐久間選手は「こうしてほしい」と具体的な要望を伝えるよりも、「少し重いかも」「振りにくいかも」と、自分が感じたフィーリングを言葉にするタイプ。
その小さな変化を受け取り、選手が求めている弾道やフィーリングをクラブへ落とし込んでいくことも、ツアー担当の大切な役割です。
「アイアンの精度を上げたい」から始まったコンボセット
前半で紹介した『i240』と『BLUEPRINT T』のコンボセット。
実はこのセッティングは、今シーズンが始まる前から取り組んできたテーマのひとつでした。
「2026年の開幕前に行ったアリゾナ合宿から、本人とは『今年はアイアンの精度を上げていきたい』と話していました。そこで、自分の感覚でよりショットをコントロールできる『BLUEPRINT T』を提案しました」(PINGツアー担当)
しかし、最初から現在と同じ番手構成だったわけではありません。
当初、『BLUEPRINT T』を投入したのは8番~PWまで。そこから試合を重ねる中で徐々に使いこなせる番手が増え、現在は6番~PWまで『BLUEPRINT T』を使用しています。
一方、4番アイアンに選んでいるのは『i240』。
長い番手ではやさしさを持たせながら、約160ヤードのキャリーでグリーンを狙い、しっかりボールを止める。その役割を考えて選択されています。
さらに、モデルだけでなくライ角も番手に求める弾道に合わせて調整しています。
『BLUEPRINT T』はREDのライ角(標準より1度フラット)を採用する一方、『i240』の4番アイアンはGREEN(標準より1度アップライト)に調整。これは佐久間選手から「少しつかまりにくい」「右に行ってしまう」というフィードバックがあったことから、ロングアイアンでもしっかりボールをつかまえられるようにしたものです。
「番手によって選手が求める弾道は違います。それぞれで求める球が打てるクラブに調整することで、試合でも自信を持って打つことができ、それがスコアにもつながっていくと思います」(PINGツアー担当)
2025年は13位だったパーオン率が、今季は1位※へ。
もともとショットを得意とする佐久間選手が、自分の感覚と実際の球筋を合わせながら『BLUEPRINT T』を使いこなせるようになったことも、今季の高いショット精度につながっているとツアー担当は話します。
プロだから、すべての番手で難しいアイアンを使うわけではない。
求めるプレースタイルや飛距離、打ちたい弾道に合わせて、番手ごとに最適なクラブを選ぶ。佐久間選手のコンボセットには、PINGが大切にするクラブ選びの考え方が表れています。

『DS72』から『B63』へ。変更のきっかけは小さな“違和感”
そしてもうひとつ、今回の優勝に至るまでに変化があったのがパターです。
ただ、佐久間選手から「パターを変えたい」という要望があったわけではありません。
当時ツアー担当に伝えていたのは、自分のストロークやフィーリングと、実際の打ち出し方向が少し合っていない気がするという感覚でした。
『DS72』を調整する選択肢もある中、ツアー担当が提案したのは、あえて違うタイプのパターを試すことでした。
それまで使用していた『DS72』はストレートタイプ。そこで、クラブ自身のヘッド開閉をより使いやすいセミアークタイプをいくつか提案。その中に『B63』がありました。
PINGではストロークタイプ別に3つのカラーでパターを分類。
『B63』を選んだ背景には、もうひとつ理由があります。
佐久間選手がプロテスト合格時に使用していたのは『VAULT 2.0 B60』。アマチュア時代から佐久間選手を見てきたツアー担当は、以前から『B63』のような形状とフィーリングが合う傾向があることを知っていました。
さらに、長く使用してきた『DS72』と『B63』は、ともに新PEBAXインサートを採用。慣れ親しんだ打感を大きく変えずに、新しいストロークの感覚を試せることも『B63』を提案した理由のひとつでした。
「最初から急に成績が良くなったわけではありません。ただ、本人の中には『このパターだったらいけそう。このまま使っていればハマりそう』という感覚があったのだと思います」(PINGツアー担当)
使い続けた『B63』。そして迎えた最終日27パット
実は、ニトリレディスの週に大きなクラブ調整を行ったわけではありません。
パターについても、ツアー担当から見て「今週は特別に調子が良い」と感じていたわけではなかったといいます。
それでも『B63』を使い続ける中で、佐久間選手の感覚には少しずつ変化が表れていました。
「『B63』を使いながら、徐々に感覚を取り戻しているのは感じていました。使い込んでいくことで、本人にしっかりハマる日が来ると思っていました。それがニトリの週だったのかもしれません」(PINGツアー担当)
そして迎えた最終日、27パット。
自分のフィーリングと打ちたいボールのイメージが少しずつ重なり始めた『B63』で、佐久間選手は今季2勝目をつかみました。
今回の勝利は、単なる「6勝目」ではありません。
調子を落とし、自信を持てない時期を経験しながらも、自分の感覚と向き合い、再び勝利まで戻ってきた6勝目。
だからこそ、優勝後に出た言葉が「何か今までと違う!」だったのかもしれません。
今回の優勝を支えた14本を紐解くと、そこにあったのは「自分に合ったクラブを選ぶ」というシンプルな考え方でした。
番手ごとに求める弾道に合わせてアイアンを組み合わせ、わずかなフィーリングの変化からパターを見直す。ツアープロであっても、自分のプレーと向き合いながら、その時の自分に合うクラブを探し続けています。
その14本とともにつかんだ今季2勝目を新たな自信に変え、佐久間朱莉選手がここからどんなプレーを見せてくれるのか。今後の活躍にも、ぜひご注目ください。
※8月31日現在


